まんだらけのカリスマ/コスプレ店員のことではなくて。
スガシカオである。
彼の声。
彼の声はそれ自体独立した生き物のようだ。
耳の穴からするりと入りこみ、身体を、内奥から震わす。
神経回路を巡り、皮膚を粟立たせ、毛を逆立たせ、そのあと弛緩させる。
その繰り返しは全身を甘い痺れに浸す。
そして一度聴いたが最後、もうその声なしでは生きてはいけなくなる。
人の身体に寄生し、身体中を巡り、犯す、虫。
今、彼の歌を聞きながらそんなことを思った。