麦っ子宣言

わたしは今「はだしのゲン」に夢中です。
きっかけはたかやまさん(id:atoz)が教えてくれたこのサイトでした。
ここを閲覧して以来「はだしのゲン」が読みたくてたまらない、いわば「はだゲン中毒」です。摂取してもいないうちから禁断症状です。おそるべし、はだゲン。
そしてついに今日、この暑い暑い日差しの中自転車をこいで(道に迷ったりしながら)隣町の公民館へ行って(最寄りの図書館にはなかったのです)「はだしのゲン」を借りてきました。(そこまでするなら買え、と言われそうですが、なにせ貧乏なのです。それと、小学生の頃学校の図書館で少しだけ読んだことがあるのですが、当時のわたしには刺激が強すぎて放り出してしまったのです。そんなトラウマから、正直言って、あまり家に置きたくない気持ちがありました。小さい頃から、恐怖マンガや心霊写真の本などは家に持って帰るなど言語道断、触るのも恐ろしいという恐がりっ子のわたしです。)
残念ながら7巻〜10巻は貸し出し中で、6巻までしか借りられなかったのですが、予想以上にすばらしいマンガでした。なにより描写・表現の力強さにぐいぐいと心を圧されます。そして、悲惨なお話の中にも健康なユーモアを途切れさせることがありません。登場人物の、あまりに直截的な行動・言動は、ともすれば稚拙に捉えられるおそれもありますが、わたしにはそのシンプルさが清々しく感じられました。
ゲンの父ちゃんはゲンたち子供らにくりかえしこう伝えます。「おまえたちは麦になれ 冬のあいだたえしのんで ふまれてもふまれても 強くまっすぐにのびる麦になれ」ゲンはその言葉のとおり、踏まれても踏まれてもくじけず、強く、まっすぐに育っていきます。そのたくましさといじらしさには、大いに勇気づけられました。本当に、反戦マンガ・原爆マンガとしてしか認識されていないとしたら、あまりにもったいない、すばらしいビルドゥングス・ロマンです。
わたしが借りてきた本には落書きがありまして、ゲンたちをいじめる登場人物たちの顔に赤鉛筆で「あほ」「バカ」「死ね」などと幼い字で書きなぐってありました。悪いことではありますが微笑ましい気持ちになりました。
そんなわけで、今わたしの心は一部広島人です。ついつい心に浮かぶ言葉を脳内で(エセ)広島弁に変換してしまう有様です。
実はあとになって気付いたのですが、今日は8月6日。なにやら因縁めいたものを感じます。みなさんもこの夏、あらためて「はだしのゲン」を読まれてはいかがでしょう。
そして、ゲンプロにネタ書き込みができるようになったら、あなたも立派なはだゲンきちがいです!