火サス

今日の火曜サスペンス劇場『迂回路』(脚本:坂上かつえ/監督:吉本潤/原作:香納諒一『捜査圏外』)はなかなか良いドラマだった。
ひとりの刑事がある事件をきっかけに、過去に訣別した先輩刑事と、その娘でかつて自分の婚約者であった女と、再び向き合うことになるという話。
父と娘・男と女・刑事という仕事・誇り・信念・挫折・悔恨・人を憎むことの辛さ…
それぞれ立場の違う三人の刑事を演じる内藤剛志夏八木勲山田辰夫が良かった。
また斎藤慶子も、様々なことに翻弄されて疲れた女性の感じが出ていて良かった。
以前はわたしも「火サス」などと呼んでバカにしていたが、
なかなかどうして「火曜サスペンス劇場」にはしっかりとした佳篇が登場することも多いようだ。
最近は、月9・水10などと呼ばれ、誰と誰が初共演だのと毎期話題を振り撒く連続ドラマ群にはほとんど興味を惹かれることがない。
それよりも、夕方頃放送されている「火曜サスペンス傑作選」などを、気がつけば惹きこまれて最後まで見ていた、というようなことのほうが多い。
それは単にわたしが歳を取ったから、ということだけではない気がするのだけれど。