ゴースト・オブ・マーズ

■■ちょっとネタバレ■■
ツタヤのレンタル落ちワゴンに『ゴースト・オブ・マーズ』のビデオがあったので買って来て観たのですがやっぱこの映画むちゃくちゃおもしろいわ。
わたしがカーペンター定食をはじめて食ったから、なのかもしれぬが、いや、きっとこの映画は洗練された究極のカーペンター定食なんですよ。
まず俳優の面構えが脇役に至るまで全員すばらしい。しかも扱われ方がとことんクールだ。いちばん華のない男の新人隊員ですらあのクールな死に様である。凡百の映画だとああいう奴は真っ先に火星人に乗り移られて死ぬようなみっともない役回りを振られるものだ。
アクションがタルいとか言われているのも全く解せない話だ。近頃の観客は過剰に飾り立てられたアクションばかり観せられているから飽食になっているのにちがいない。『ゴースト・オブ・マーズ』のアクションはショボイんじゃなくてシンプルなんですよ。基本中の基本をやっているの。フライング・カッターの切れ味と同じくらいソリッドだぜ。あと火星人が怖くないとか言ってる奴、ウソつけ!あんなのに取り囲まれて襲われたらむちゃくちゃ怖いだろ!
そしてプロットはおそろしく無駄がない。「闘う意志」を描くことのみに集中しているのである。その中で「闘う意志」のみによって互いを認め合う男女にバディとしての関係が生まれる。ラストシーンは何回観てもカッコ良くて悶えるね!