ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

queergod2004-01-19

待ちきれずに試写会で観てしまった!
結論から言うと、すばらしかった。
そりゃあ気になるところはいくつかあって、
たとえば、デネソールの最期は、ボロミアの父上があんな死に方をするなんてあまりにも悲しかったし、
ファラミアやエオウィンのその後がどうなったのか、まったく触れられていないのも気になったし、
また、尺の問題で、物事がうまく運び過ぎるのは、やはり若干気になるところではある。
そして、物語に驚きはない。「世界を支配する邪悪な指輪を捨てに行く物語」なのだから、
結末がどういうものになるか、またその過程などはあらかた予想がつく。

しかし、誤解を恐れずに言ってしまえば、そんなことは取るに足らないことだった。
この映画の懐の大きさ深さにすっぽりと包まれて至福の三時間半、あまりにも短い三時間半だった。
今、この世界で、こんなに大きな映画を、こんなに繊細かつ、力強く作り上げてしまうだなんて、本当に偉大なことだと思う。
そのはじまりからおわりまでをこのように目撃することができてとても幸せだ。
 
そして、この映画が謳っていたこととは、
この世界を照らす唯一の光は「希望」であるということ。
その光はどこからか降り注ぐものではなくて、
人が、その心に自ら燃やす「勇気」の炎が放つ光であるということ。
暗黒の時代に、彼らはただひたすら自分たちの心に勇気を奮い起こして、
その光だけを頼りに闇の中を進み続けた。
それがなによりも貴く美しいことだと思った。

ありがとうピーター・ジャクソン
全てのスタッフ・キャストにも!

…ああ、でもやっぱり、ゴクリが最期まで救われないままだったことだけは、とても悲しかったよ。